2012/12/26

『無援孤立—カチンランド戦争と避難民』

【カチン・イヤー12月のイベント】

報告書『無援孤立—カチンランド戦争と避難民』発行

「カチンランドの戦争は、偶発的なものでも、局地的なものでもない。ビルマ軍がビルマ全土に及ぶその権力を強固にするための戦いであり、ビルマ軍の優越性を保障した2008年憲法の当然の帰結なのである。」

特定非営利活動法人ビルマ・コンサーンによる約50ページの報告『無援孤立—カチンランド戦争と避難民』は、17年の停戦の後2011年6月9日に再び勃発したカチン独立機構(KIO)政府とビルマ(ミャンマー)政府との間の戦争(カチンランド戦争)を包括的に論じたものです。

2011年6月26日から7月2日にわたるビルマ・コンサーンのカチンランド訪問時に収集した音声資料・映像資料・文書、その前後に行われたさまざまなインタビュー、そして先行する報告・論評・記事をもとに、カチンランド戦争の過程、原因、戦争避難民の現状、政治的展望などに関する分析を行いました。

本報告の主たる主張は次の3点です。

①カチンランド戦争がビルマ政府とカチン民族との間の局地的・偶発的なものではなく、2008年憲法の必然的な帰結であること。

②その戦争によって生じた戦争避難民の状況が、とりわけ国際的支援の欠如ゆえに危機的なものであること。

③戦争はビルマ政府とカチン独立機構との孤立状況によって生じ、そのような孤立状況を生み出した原因は国際社会にあり、またその解消も国際社会に委ねられていること。 

本報告には、一次資料によって作成された複数の地図と表、さまざまな人々の証言、とくに戦争避難民キャンプ担当者とスムルッ・グンモウKIO副参謀総長へのインタビューが含まれています。

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