2012/12/16

国境警備隊

現在ビルマ政府とカチン独立機構(KIO)政府との間で行われている戦争の原因として、ビルマ政府がKIOの軍、カチン独立軍(KIA)の国境警備隊(Border Guard Force, BGF)への転換を求め、KIOがこれに応じなかった、という説を挙げる人がいる。

わたしはこれは間違いで、それは戦争の原因のひとつでしかない、と考えている。詳しくはそのうち公表するレポートに書いた。

さて、わたしの子どもの通う保育園の保護者が集まって食事会をした。

会場はイタリアンのファミレスで、35人ほど入る大部屋を借りた。入り口はひとつでひっきりなしに人が出入りする。ドリンクバーは部屋の外にあるので、コップをいくつも持っている人もいる、赤ん坊をおんぶしている人もいる、次から次へとピザやらなんやらが運ばれ、また空いた皿が運び出される、という具合で、しかも20人からの子どもたちだ、大騒ぎ。

そこでわたしはドアの脇に立ち、人が来るたびに開けたり閉めたりしはじめた。わたしとしてはおおいに役立っているつもりだ(ホントかどうかは別として)。ほかの客の迷惑になるので子どもはトイレのとき以外は部屋の外に出さないということになっていた。わたしは脱走しようとする不届きな子どもがやってこないかどうか目を光らせていた。

だんだん自分が国境の警備に当たっている気がしてきた。国境警備隊だ。この食事会は俺が守るのだ! さあ気分が盛り上がってきた。国境警備隊の歌まで飛び出した。

俺たちゃ国境警備隊 
おふくろが俺に言うことにゃ
天国地獄の境目で
生まれた餓鬼がこの俺さ

俺たちゃ国境警備隊
夢とうつつの境を守る
絆だ維新だ復活だ 
候補の数だけやさしくなれる

裏切り者は血祭りだ
らんちき騒ぎのただ中で
あの娘に撮られた例の写真
武力を使って取り戻す

俺たちゃ国境警備隊
俺たちゃ国境警備隊

しまいにゃ一群の保育園児たちの襲撃により国境警備の任務を奪われた……