5. CNFの戦略
前節で述べたようにNCAに対する否定的見解は次の3点にまとめることができよう。
①NCAは文字通りの「全土」ではない。
②ビルマ政府およびNCAを信頼することはできない。
③NCAの署名に参加した人々を民族の代表とみなすには疑いがある。
今回の停戦合意に署名したCNFは、少なくともこの3つの点に関して外部に説明責任を負っていると考えられる。この節では、まずCNF自身の考えを取り上げ、その後、CNFが合意に加わった動機について分析を行いたい。
まず①についてだが、NCA署名当時の議長(というのも2016年1月末のCNF総会で副議長となったからだが)であるタンさんは、NCAは終着点ではなく、全土停戦にいたるプロセスのひとつに過ぎない、と語る。すなわち、NCA以後も、今回合意に参加しなかった他の非ビルマ民族組織とともに交渉を続け、本当の全土停戦合意を実現させるということである。
このような立場は同時に、今回のNCAそのものを反故にさせず、今後の交渉を有利に進めるためのひとつの戦略ともとらえられよう。というのも、非ビルマ民族側の分裂はビルマ政府の政治的優位に結びつくからである。
前節で述べたようにNCAに対する否定的見解は次の3点にまとめることができよう。
①NCAは文字通りの「全土」ではない。
②ビルマ政府およびNCAを信頼することはできない。
③NCAの署名に参加した人々を民族の代表とみなすには疑いがある。
今回の停戦合意に署名したCNFは、少なくともこの3つの点に関して外部に説明責任を負っていると考えられる。この節では、まずCNF自身の考えを取り上げ、その後、CNFが合意に加わった動機について分析を行いたい。
まず①についてだが、NCA署名当時の議長(というのも2016年1月末のCNF総会で副議長となったからだが)であるタンさんは、NCAは終着点ではなく、全土停戦にいたるプロセスのひとつに過ぎない、と語る。すなわち、NCA以後も、今回合意に参加しなかった他の非ビルマ民族組織とともに交渉を続け、本当の全土停戦合意を実現させるということである。
このような立場は同時に、今回のNCAそのものを反故にさせず、今後の交渉を有利に進めるためのひとつの戦略ともとらえられよう。というのも、非ビルマ民族側の分裂はビルマ政府の政治的優位に結びつくからである。