カチン民族機構(日本)(KNO-JAPAN)主催で第62回カチン州の日式典(KSD)が1月10日豊島公会堂にて午後6時から9時30分までの間開催された。カチン州の日の由来については昨年の記事「第61回カチン州の日(第2回演説記録)」を見てほしい。
今年のKSDも例年どおり、式典と歌舞の披露の2部構成。時間の都合で、第1部しか参加できなかった。もっとも盛り上がる第2部を見なかったせいか、全体としてややおとなしめの印象が残った。これは特別ゲストがいなかったせいかもしれないし、また、在日ビルマ人社会全体として少し士気が下がっていることに起因するのかもしれない。
議長のピーターさんの挨拶でも触れられていたように今年は軍事政権の選挙の年で、多くの在日ビルマ人の中に、これが強行されたらもう民主化は無理だ、との諦めムードもある。また、それなりの数の難民が難民認定されたり在得許可を得たりして、一息ついているせいもあるだろう。
しかし、ビルマ民族はともかく、ほとんどの少数民族がこの選挙結果いかんによっては自分の民族は消滅するかもしれないとの危機感を抱いている。この危機感をビルマ人と日本社会にいかに伝えていくかが、これからの活動で重要になると思う。
そのような意味では、KNO-JAPANの事務局長マリップ・センブさんが、田辺さんの優れた通訳と、クムサウン・クンセンさん制作のスライドショーをつかって行ったカチン州の現状のプレゼンテーションは優れたものだった。
少し衝撃的な写真もあったが、これは多くの人に見てもらうべきだと思う。
各民族でこうしたプレゼンテーションを制作して、一度に話してもらったら面白いのではなどと考えてみたりする。
ところで、会場受け付けではプログラムを記したパンフレットが配られ、また別の場所でNO-JAPANの規約(カチン語〔ジンポー語〕、ビルマ語、日本語)の小冊子が手渡された。しっかりした体裁で、規約自体も立派なものだが、ある人の話によれば、幹部の中にはこの規約が配布されることを知らされていなかったものもいたとのことだった。
そのせいかどうかわからないが、この規約にはいつどのような会議(総会)で承認されたという、規約の効力を保障する重要な一文が欠けているので、これはあくまでも規約案としてみるべきなのかもしれない。