カレン新年祭の目玉と言えば、音楽だ。
バンドの演奏する音楽に合わせて、みんなで歌い踊りまくる、本当にお祭りらしい時間だ。
今回演奏したのはエクソダスというバンドで、在日カレン人で結成されたバンドだ。とはいっても、バンドメンバーはこれまでもカレン新年祭でやはり演奏してきた人ばかりだ。
なぜ、今年になってバンドの名前を付けたのか。それはこのバンドの中心メンバーのひとりにして、カレン新年祭の中心人物でもある人が、「ついに」と難民認定申請をしたことと関係ある。
要するに、「逮捕を恐れて暮らす生活はもう終わり、音楽活動も堂々としようではないか」というわけだ。公然と練習できるようになったせいか、これまでのカレン新年祭での演奏に比べて、格段に上で、だれることがあまりなかった。
実は何年か前、ぼくもカレン新年祭で演奏に加わったこともあった。今年もあわよくばなどと思っていたが、諦めざるをえなかった。
エクソダスというのは聖書の出エジプト記のことだ。長い難民生活を余儀なくされているカレン人の現状と約束の地への希望を表現しているのだろう。
曲目はビルマ語の歌もあるが、ほとんどがハードロック。いちばんの盛り上がりは、ディープ・パープルの「ハイウェイ・スター」だった。