チン人とはいっても、みんなが同じ言語を話しているわけではなく、互いに理解できないいくつもの言語がある。
ザイタンクンアさんとそのご遺族の言語はミゾのチン語で、在日チン人の多くが話しているティディムのチン語やハカーのチン語とは異なる。
追悼礼拝の後にザイタンクンアさんのご遺族と話す機会があったのだが、そのとき通訳してくれたチンのTさんはミゾのチン語が得意ではなく、次のようなやり方で通訳してくれた。
日本語を話すと、Tさんがハカーのチン語に通訳。
ご遺族の方はハカーのチン語は話せないが聞けば理解できる。それで話を理解し、返答をミゾのチン語で行う。
Tさんはミゾのチン語は流暢に話せないが、聞けばだいたい理解できる。その理解をもとに返答が日本語に通訳される。
多言語社会のコミュニケーションの取り方の一例。