2014/11/20

オラ・ハンソン

オラ・ハンソン(Ola Hanson)というのはスウェーデン生まれのアメリカの宣教師で、カチン民族へのキリスト教伝道で知られる。

彼はまたカチン民族のためにカチン文字を考案し、聖書を翻訳したり、カチン語辞書を作ったりした。それで、カチン人たちは彼を自分たちの文化を引き上げてくれた大偉人として崇敬している。

この間、Facebookを見たら、いつの間に彼のページが作成されていたのだが、その肩書きが「ニュース司会者」となっている。何でだろうとそのことをFacebookに書いたら、ある方が英語ではNews Personalityとなっているから「News→Good News→福音」という繋がりではと指摘してくださった。おそらくそうに違いない。

ラパイ・センローさんの集会の後、カチンの友人たちとサイゼリヤに食事に行った。サイゼリヤのワインは何杯飲んでも二日酔いにならないと友人が保証したので、わたしたちはたらふく飲んだ。そして、その談話のさなかに、このFacebookの話題が出て、その友人の祖父の話になった。

宣教師の仕事のみならず、聖書の翻訳、カチン語辞書の編纂に忙しいオラ・ハンソンには、カチン人の秘書というか助手のような人がいて、それが友人の祖父だったのだという。

あるとき、オラ・ハンソンが、助手にこんなことを言った。

「あなた方、カチン人はどうしてありがとうと言わないのだね。感謝するときはちゃんと口に出して言わなくてはならない」

余計なことは口にしないカチン人の気風が 少々気に障ったのかもしれない。

これに対して助手は「わたしたちは口には出さないが心の中では感謝しているのです」と答えた。

そして、これをわたしに語る友人たちはこれぞカチンの心意気とばかりに、この助手の返答を喜んだのであり、言葉として出された気持ちより、胸の内に留め置かれた気持ちのほうが価値があるという、日本人にも見られる考え方は、今でもカチン人の中で強いようだ。

オラ・ハンソン(1864-1927)