2014/11/30

増える難民、泣きの入管(6)

そして、こうした人が増える分だけ、本来の難民保護という目的は、申請者にとっても入管にとっても疑わしいものとなっていくばかりでなく、入管の価値そのものも下落していく。これはさらに日本政府への信頼性を損なうものでもある。

また、この方策は、入管職員にある種の乱暴さ、粗雑さ、非人間性を要求するものであるから、それは難民認定申請者にとって不愉快なハラスメントであるばかりでなく(わたしも実際不愉快な思いをする)、当の職員にとっても精神的なダメージは少なくないはずだ。そして、日本国民が一人でも暴力的であることを強いられるというのは、それが国家による要請に基づくためになおさら、社会の持つ暴力性を増幅させる。つまり、これは入管だけの問題ではないのだ。

だから、こうした誰にとっても特にならない解決策は直ちに改めて、難民に当てはまらない人々が、適正な審査によって日本に滞在できる許可を得られるような別の経路を作るべきだ。

それはともかく、仮放免期間の短縮は、ビルマの政治状況と関係あるというよりも、申請者数の激増という事態に対する入管の反応ではないかというのが、わたしの結論であり、難民認定申請中のビルマ人にとっては面倒くさいことかもしれないが、特に不安がる必要はないのではと思っている。

品川入管