2014/11/11

カチンのお祝い

11月8日、伝統的な家庭行事があるのでどうぞ、と招待してくれたので、カチンの友人の家に行った。

詳しくは分からないが、老人が自分と血のつながりのある子どもたちを祝福するというような行事だ。

ビルマからパスポート上は89歳、しかし本当は95歳というカチン女性の来日に合わせて開催されたもののようだ。子どもたちは新生児から小学生中学年までの約7人、といってもほとんど儀式に参加せず、隣の部屋で遊んでいた。

 キリスト教的にアレンジされていて、牧師が執り行い、賛美歌と祈りとともに儀式が進んでいく。短い間だけ、子どもたちが駆り集められ、老人が何か言うのを聞かされていた。


こういうお祝い事には、カチン語でシャジャム(SHA JAM)というもち米の混ぜご飯が欠かせないとのことで、儀式の後の昼食でこれとシャン風の汁そばとピザが振る舞われた。

シャジャムは、薄く味のついたもち米に蒸し鳥をほぐしたものを混ぜたもので、小さく切ったゆで卵が載せられている。

カチン人の決まりによれば、このような特別なシャジャムには、鶏の数は偶数でなくてはならないとのこと。

カチンのマナウ祭りでも、偶数性、ペアであることが重要視される。踊りの列も2列だし、マナウの柱も対になっている。わたしが聞いた説明では、男女の平等とか協調とかの象徴だからとのことだったが、鶏の数にこの説が当てはまるかどうか。

いずれにせよ、ペアであることの象徴性は、男女という組に限らず、カチン人は常に何かの片割れであるという認識に繋がっているのかもしれず、もしかしたら、これがカレン人やビルマ人とは異なるカチン的な強固な集団意識を生み出しているのかもしれない。

それを確かめるためには、もっとシャジャムを食べるほかないだろう。