2008/05/11

ある女性の証言(1)

わたしがその日大使館前に行ったのは、午前8時40分頃のことでした。

はじめは大使館前でなく別のところにわたしは知り合いと一緒に立っていました。どこに並べばよいかわからなかったので。

すると、制服を着た警察官がやってきて「投票権は持ってるか」と尋ねました。わたしが「投票権が欲しいから来ました」と答えると、警官は「ここは違うよ、大使館前に行って。ここに立っていてはダメだ」と言いました。

それでわたしたちは、大使館前の列に加わりました。後に警察はわたしたちを乱暴に追い出そうとしたのですが、そもそも大使館前に並ばせたのは警察だったのです。

わたしたちは静かに並んでいました。プラカードもシュプレヒコールもなく、ただビルマのパスポートと国民登録票を手に並んでいました。いつもやるようなデモではありませんでした。

ただし、大使館はわたしたちの投票権を認めてはいませんでした。一部の人にしか通知を送っていなかったのです。この通知がないと投票ができなかったのでした。ですが、わたしたちはれっきとしたビルマ国民です。その証拠となるパスポートなどを持って、静かに並んでいたのでした。

ただ大使館側が何かを言ってくるのを待っていたのです。門扉をこじ開けて大使館に無理矢理入り込もうとするものは一人としていませんでした。