2013/12/18

無料コンピュータ・トレーニング・コースの目的

ネーミョージンさんがエーヤーワディ管区で行っている無料コンピュータ・トレーニング・コースは,コンピュータとインターネットに関するスキルを村人たちに教えることで,村の生活の向上と若者の就業を支援するという目的がある。

しかし,目的はこれだけではない。

現在,ビルマは変わったとしばしばいわれ,それは本当のことでもあるのだが,政府の末端部分,つまり普通の人々が関わりある部分では,いまだ不正や賄賂,暴力が罷り通る状態が続いている。

多くの村人たちは,このような不正にこれまでは何も言えずただ我慢するほかなかった。そのため,農村地域の現状がどのようになっているのかは,部外者,外国人だけでなくビルマ人も十分な情報を得ることできなかった。そして,人に知られぬのをいいことに,現地の役人や警察はさらに思うがままに振る舞うことができたのである。

しかし,もしこれらの農村の人々がインターネットを通じて,自分たちの状況を,問題を,不正な仕打ちを,自分の力で世界中に公表できるとしたらどうだろうか。

これは農村部における政府機関の不正行為に対する効果的な抑止力となるだろう。政府関係者が自分たちの振る舞いが逐一インターネットに報告されていると知ったら,これまでのように法を無視した行動を重ねることができるだろうか。

すなわち,無料コンピュータ・トレーニング・コースは,農村部にこれまで聞かれることのなかった「声」を与えることに繋がるのであり,その声によって農村部における法律と人権の尊重,つまり民主化が推し進められる,というわけだ。

こうした理由から,無料コンピュータ・トレーニング・コースの後に,各参加者の村にノートパソコンが寄付されるのである。