2012/09/20

皮肉

以前ある難民認定申請関係の書類の翻訳を手伝ったのだが、再申請の人のもので、こんなふうに書いていた。

「わたしが再申請する機会をくださった日本政府と入国管理局のみなさまに心より感謝いたします。」

二度だろうと何度だろうと申請するのは難民の権利で、またそれを受け取るのは難民条約に加入した日本政府の義務だ。感謝すべきことなどなんにもない。だが、それをあえて感謝するのは、ビルマの人らしい慎ましさによるものだ。

だが書いた当人の気持ちがどうであれ、その「再申請する機会」を与えた直接の要因が難民不認定処分であることを考えれば、わたしにはこれはまったく嫌味にしか思えない。