2012/09/05

8888民主化運動記念デモ

8月8日に毎年恒例の民主化運動記念デモが行われ、わたしも行かねばならないこととなった。内容もいつもの通りで、五反田駅近くの公園に集合して、活動家が演説。その後、行進。ビルマ大使館を通過し、その先にある公園で再び集会の後、解散。

この日のデモにどれくらいの人が参加したのか、それは公安の人がよく知っていると思う。私服の彼らはたいていイヤホンをしていて、行進についていったり、ポイントで待っていたりする。そして、メモをとったりじっと見つめたりしている。その観察は正確だという話だ。わたしも彼らに負けじと行進のさなかに自分で隊列を数えてみた。だが、暑さにやられてすっかり忘れてしまった。500人ぐらいだったような気もする。いずれにせよわたしにはこうしたまじめで大変な仕事は務まらない。

デモに関係するのは、公安の人ばかりではない。交通の誘導にあたる警察の人がいる。こうした人の働きがなくては、デモは成り立たない。また、警視庁外事課の人や、入管の人もいる。これらの人の中にはわたしが公安の人だと勘違いしている人もいるかもしれない。いずれにせよ、いろいろな人々がこのデモに「参加」している。

夏のデモではよくあることだが、ペットボトルの水と紙コップを持って列の中を行ったり来たりしている人がいる。参加者のための水分補給だ。熱中症と関係があるのか知らないが、デモの後に倒れてしまい入院している人もいるとのことだ。

わたしは水を飲まずに最後まで歩いた。終着地の公園で数名の活動家や日本人が演説したのだが、わたしも呼ばれた。だが、誰ひとりとしてわたしの名前を知らないのだった。何年もビルマ関係に時間を費やしてきてこれなのだ。死んだほうがよかろう。

だが、ここで死んだら物笑いのタネだ。わたしは適当なことを話してお茶を濁した。

もっともわたしはお茶も飲んでいない。喉はからからだ。品川駅まで我慢して歩く。と、駅で友人のビルマ人に会った。彼はどうぞと、わたしの手にピーナッツをたくさん流し込む。

ありがとうと言って次々口に投げ入れる。わたしの口の中はもう完全にひからびた。