2011/06/29

説大量送還不可能(3)

もちろん、行くわけなんかありません。これはみなさんにとって困ったことですが、仕方のないことです。ですが、こうなるともっと困ってしまう人々がいます。それは入国管理局です。

みなさんが入管に来なくなるということは、入国管理局がみなさんを管理できなくなるということです。つまり、入管の業務が混乱してしまうのです。このような混乱を招く決定を入国管理局がするはずがありません。

さらに、もしこのような大量の強制送還がはじまれば、難民たちと難民支援関係者が黙っているわけはありません。UNHCRだって、国際的な人権団体だって抗議の声を上げるでしょう。

入国管理局がこれらの人々の意見を気にするかどうかはわかりませんが、少なくとも入管にとっては自分がそのような形で社会の注目を浴びることは決して好ましいことではありません(これはどのような役所でもそうです)。したがって、そのような可能性のある決定を入管がするとはさらに考えにくいのです。

結局、入国管理局にとっては、いつものやり方がベストということになります。つまり、一度に大量に強制送還するのではなく、目立たないようにひとりひと り捕まえて収容して「帰れ帰れ」と言い続けることです。そして、このやり方に関しては、もっとも有効な反撃の仕方をみなさんはもうすでにご存じです。それはつまり、「帰れません」と何度でも言い返すことなのです。(おしまい)