2011/06/11

一致団結(3)

入管が切羽詰まっていたのも無理もない。何か起きたら、収容する側の責任問題となるのだ。

とはいえ、このような騒ぎを起こせば、すぐに釈放されると考える人がいたらそれは誤りだ。やはり病院での診断結果や本人の苦しみ、普段の態度を総合的に判断してのことだと思う。

しかし、そうでもしなければわかって貰えないというやむにやまれぬ事情もあるのだ。わたしはMさんは当然のことをしたと思っているが、それでも本人は取り乱してしまったことに反省しているようで、入国警備官に詫びて出てきたそうだ。

なんにせよ、被収容者の一日も早く出たいという強い気持ちが入管を動かして、一日も早く出したいという気持ちにさせたのである。両者の気持ちがまさ に一致したのだといえよう。一致団結が声高に叫ばれる現在の風潮にはいろいろ批判もあるが、こうした一致なら歓迎だ。その貴重な一致を危うく台無しにしかけたわたしがいうのもなんだが。

なお、わたしはそういう話は苦手なのだが、Mさんは自分の病気の苦しみについていろいろと説明してくれた。それによれば、高血圧による頭痛は「雷が落ちてきたよう」、肛門の激痛は「唐辛子を突き入れられたよう」だということである。