2009/03/13

虚無への供物

NLD日本支部解放区のメンバーたちが、夏に富士山に登って、民主化勝利の祈願をした。その旅に同行したあるカレン人の活動家が、包装紙に包まれた箱をくれた。

つたない日本語でいろいろ説明してくれるのだが、どうもよくわからない。NLDの必勝祈願に関係あるらしい。箱の中身を聞くと「センベイ」という。

なんだか分からないが、とにかくもらっておこう。家に帰って箱を開けると、鰹節が入っていた。

ビルマの仏教のことはよくわからないが、何かお祈りをした時に仏さまに供物を捧げる習慣があって、その供物をお土産としてくれたもののようだった。そして、おそらく、その供物をビルマ語で「センベイ」とか何かそのような感じの言葉で呼ぶのだろう。

ぼくはこの習慣についてもっと詳しく知りたくなり、他のビルマの人に尋ねてみた。「センベイ」とか「セインベイッ」、いや「セイッベイン」かもしれない、そんなような言葉を知りませんか? だが、その人は分からないようだった。ひょっとしたら、ビルマ語ではなくカレン語なのかもしれない。

しばらくして、そのカレン人に偶然会う機会があった。ぼくが鰹節のお礼を言うと、彼はキョトンとしている。

そこで彼に思い出させると、驚いて言った。

「えっ、センベイじゃなかったの?」