野方警察署にあるビルマ難民が不法滞在で留置され、その友人が面会に行った。
面会することはできるが、日本語で話さなくてはいけない。留置係が脇に座って見張っていて、ビルマ語で会話をすると注意をする。
しかし、そのビルマ人は日本語がほとんどできない。面会に行ったビルマ人友人は非常に苦労して、いいたいことを伝えた。
面会が終わると、留置係の男が「こいつは嘘つきだ、嘘つきだ」と留置されているビルマ人を指差していった。
腹を立てた友人が「わたしの友達をそんなふうにいうのは止めてください」と抗議すると、留置係の男は「こいつ、日本語話せないっていってたのに、面会で話してやがるじゃねえか」と返した。
「彼がそういったのは、十分に話せないという意味でまったく話せないという意味ではありません」
「いや、こいつは嘘つきだ、嘘つきだ」
そう繰り返す留置係に連れられていたそのビルマ人は何を思ったか、彼に対してお辞儀をした。彼のために何か良いことを言ってくれていると勘違いしたのだろう。
そのとき、刑事が入ってきた。すると男は急に口をつぐんだ。
留置所を出るとき、留置係受付でその友人は再び抗議した。受付の女性が答えて曰く「そんなことは知りません」。