あるビルマ難民女性がカルデロン・ノリコさんのお母さんとかねてから知り合いだった。
両親の帰国命令が出たころ、そのビルマ人女性が品川入管でノリコさんのお母さんにたまたま会った。
一家の状況に同情していたビルマ人女性はお母さんに3万円を渡した。しかし、そのままでは受け取るまいと思い、食べ物と一緒に紙袋に忍ばせたので、ノリコさんのお母さんがそのお金に気がついたのは帰宅してからのことだった。
お母さんはあわててビルマ人の女性に電話をして、泣きながら感謝してこんなふうに言ったそうだ。
「これで、帰国するまで食事が食べられます!」
入管の規則により就労を禁じられていたカルデロンさん一家が、いかに厳しい生活を送っていたかを物語るエピソードだ。