あるビルマ国籍者が、別のビルマ国籍者に大金を貸していたが、いつまでたっても返済しないばかりか、近頃は電話にも出なくなったのに業を煮やしていた。そこで、相談があるといって電話をかけてきて言った。
「あの人(借り手)はいま難民認定申請中ですよね。だから、入管に言ってやろうかと思っているのです。この人は人からお金を借りたまま返さない悪い人だって。もしそんなことを入管が知ったら、絶対ビザなど出さないですよね。どう思います?」
まず言えるのは、この手の情報に左右されるほど、日本の難民認定体制はいい加減なものではない、といことだ。いろいろ問題はあるが、そこまで悪くはない、とぼくは思っている。
そして逆に言えば、ビルマ政府とは、こうした悪意ある告げ口が効果を生む政府なのである。
しかし、それにしても、ビザが出なければ、つまり就労許可がなければ、返ってくるものも返ってこないのでは、と思うのだが。