2009/06/24

KNUの行方(2)

しかし、武器を持って闘う(カレン人にいわせれば戦闘ではなく防衛であるが)ことばかりが、抵抗活動ではない。

KNUの弱点のひとつは国際社会に対するアピールが完全に欠如していることだ。ビルマでも有数の組織なのにろくなウェブサイトひとつない、という事実がこれを物語っている。

他 を恃まないプライドの高さと、それと表裏一体の排他的性格は、カレン人、特にキリスト教徒カレン人に多く見られるが、KNUにもやはりそんなところがある のかもしれない。いずれにせよ、結果としてKNUは国際政治の世界では存在感をまったく失ってしまった(持っていたことがあったのかは知らないが)。

だ が、この国際社会にKNUの新たな活路がある、と思う。活動の場を世界に広げ、国際社会の中でカレン人の代表として語り、ビルマ軍事政権への圧力を呼びか ける非 武装政治組織へと方針転換するのである。もちろん国際的なロビー活動はKNUも他の少数民族とともに行ってきたが、これからはそれに全力を傾けるというこ とになる。

このような方向転換をしない限り、KNUのこれからは非常に危ういように思う。

今回のビルマ軍の攻勢は大きな痛手だが、決して敗北ではない。いやそれどころか、KNUの変化次第によっては、ビルマの解放へのターニングポイントになるかもしれない。