バーマ・シェイブ(Burma-Shave)というのは1920年代から60年代頃までアメリカで販売されていたシェイビング・クリームのことで、アメリカの広大な大地を横切るハイウェイを利用した伝説的な宣伝方法で有名だ。
その宣伝方法がどんなものかというと、ハイウェイの路肩に一定の距離をおいて看板が立っている。その看板には短い句が記されていて、その次に現れる看板には続きとなる別の句が記されている。
これらの句は全体として気の利いた内容の短い韻文となっており、ドライバーは運転しながら次から次へと興味深く読み進んでいき、最後の6枚目で「Burma-Shave」という商品名を知ることになる。
例えばこんなものだ。
[The poorest guy] 「人類」
[In the] 「で」
[Human race] 「一番貧しい男」
[Can have a] 「でも」
[Million dollar face] 「顔は百万長者」
[Burma Shave] 「バーマ・シェイブ」
[If you have] 「2つのアゴが」
[A double chin] 「あるのなら」
[You've two] 「使い始める」
[Good reasons] 「理由も」
[To begin using] 「ふたつ」
[Burma-Shave] 「バーマ・シェイブ」
(http://burma-shave.org/より。以下の例も同様)
このバーマ・シェイブについて知ったのは映画「世界最速のインディアン(2005)」に出てきたからだが、それ以来、このBurmaがビルマと関係あるのかどうか気になっていた。
そこで、インターネットで調べてみたのだが、関係ないわけではないようだ。
つまりBurma-Shaveを販売していたのはBurma Vitaという会社で、このBurma Vitaというのも商品名であり、ビルマ産の原料を用いた軟膏だそうだ。軟膏のほうが商品として先発していたため、シェービング・クリームにはビルマ由来の原料は用いられていないにも関わらず、Burma-Shaveと付けられたのだという。
(http://findarticles.com/p/articles/mi_g1epc/is_tov/ai_2419100188/)
とはいえ、この軟膏に用いられたビルマ産の原料が何なのか、あるいは何のための軟膏かは分からない。
最後にもうひとつ宣伝文句を引用しよう。
[Regardless of] 政治信条に
[Political views] 関わりなく
[All good parties] よい政党がみんな
[Always] 選ぶのは
[Choose] いつだって
[Burma-Shave] バーマ・シェイブ
「バーマ・シェイブ」を「アウンサンスーチー」に変えれば、今の民主化運動の現状となる。