2009/06/21

ブラックリスト(2)

それは友人のカレン人が話してくれた話だ。

日本で長い間働いてビルマに帰国したカレン人がいて、その親戚が日本を訪問したのだという。その人が日本のカレン人と話している際にぼくの名前を出して、政府のブラックリストに載っている、とかいったのだそうだ。

帰国したカレン人はぼくの友人であるが、その親戚は知らない。どうしてその人がぼくの名前を知っているのかも分からないし、何を根拠にそんなことを言ったのかも分からない。

こうした得体の知れない話は、ビルマの人々とつきあうとよくあることだ。

一昨年の話だが、ブローカーまがいのことをして金を儲けているカレン人女性が、ぼくのおかげで大損をした、などと触れ回っているのを聞いて不愉快な思いをしたことがある。もちろん、その女性には会ったこともない。

何らかの誤解があるのかもしれないし、誰かが何かを仕組んだのかもしれない。

いずれにせよ、この手の話を真に受けるのは大いに危険だ。おそらく、ぼくの名前は何らかのリストに載っているのかもしれないが、それが軍事政権のものだと言い切るだけの証拠はない。

ビルマ政府のブラックリストに載っているかどうかを確かめるのに一番良い方法は、実際に大使館に行ってビザを申請してみることだ。とはいえ、申請料の三千円が惜しいので、まだ試してはいない。