2011/08/19

No.9

在留特別許可は「在特」と略されるが、難民認定申請者の間では「SS」のほうが通りがよい。これは「Special Stay」の略ではないかと思われる。「SS」に対して言われるのが「R」で、これは難民として認定されることを指す。もちろん、「Refugee」から来ている。

ところで、他の民族ではあまり聞かないのだが、カレン人の間で「革命」といえば、日本人が想起する「共産主義革命」とは異なり、「カレン民族解放のための闘い」を指す。

だから、あるカレン人が「I am a revolutionary man」というとき、それはその人がカレン人解放のための闘いに参加していることを意味する。具体的に言えば、カレン民族同盟(KNU)のメンバーだ。

「革命」のこの用法は少し意外な感じがするが、アメリカ独立戦争もThe American Revolutionと呼ぶそうだから、英語のrevolutionの用法としてはさして不自然ではないのだろう。

さて、ここにあるカレン人のおじさんがいる。この人は日本暮らしも長く、日本のカレン人の中ではリーダー格だ。

政治活動にも積極的に関わっているにもかかわらず、難民認定申請をしていない。そこで、わたしは「する気があるなら早く申請してください。入管に収容されてからしたんでは遅いですよ」と彼に会うたびに言っていた。

先日の日曜日のカレン殉難者式典の時にも、この人に会ったので同じことを言うと、こんな答えが返ってきた。

「わたしはRのビザはいらないよ。本当に欲しいのはRevolutionのビザだよ!」

革命ビザ。

無茶いわないで・・・・・・。