2011/08/19

難民認定申請(2)

まれに難民申請時にパスポートを持っていない人がいる。これは例えば、船員として働いていた人が船が日本のどこかの港に停泊した時に、逃げて上陸し た場合、あるいは研修生として来日したが、難民申請のため研修先から逃げて東京に出てきた場合などである。また、なかには自分が決して送り返されないように、空港に着陸した飛行機の中でパスポートを破り捨てた人もいる。

こうした人たちは、申請時に自分がどうしてパスポートを持っていないかを記した陳述書を提出しなくてはならない。

外国人登録証は区役所なり市役所で発行してもらうものだが、申請するときに、この登録証の発行が間に合わないことがある。そうした場合は、登録証の申請をした役所に申請受理票を発行してもらい、これを入管に提出する。この受理票には外国人登録証番号が記されているから、それで用が足りるというわけだ(なお、この受理票はコピーされた後返却される)。

登録証の発行を待たずに入管で難民認定申請をするのには事情がある。まず、来日したばかりで、ビザが切れそうな場合、その前に難民申請を済ませておかなければ、オーバーステイになってしまう。

また、申請者がそもそもオーバーステイの場合も、悠長に登録証を待っていることなどできない。というのも、役所には「不法滞在者」の通報義務があるため、 外国人登録証(これはオーバーステイでも作れる)の申請の時点でその申請者が「不法滞在者」に該当した場合、申請書に書かれた個人情報を入管に通報しなくてはならないのだ。