2010/12/20

つまるところは(2)

翌日の朝、一番に事務所にやってきたわたしは、一抹の期待を抱きながら水を流してみた。

「ダメだ・・・・・・この詰まり、本格派だ」

となると、シュポポンしかない。一名シュポシュポとも呼ばれる柄付きゴムカップに一縷の望み。と、そのとき、チン人のTさんがやってきた。待ち合わせしていたのだ。

わたしは英語で「トイレに入らないで」と言い置きして、出かけようとする。すると、何を思ったか、Tさん、トイレに入ろうとした。おそらくわたしの英語がまずかったのだろう。「トイレ」とだけ聞き取って、そこに何かがあると思ったのだ。慌てて「ダメ、ダメ」と叫んで、わたしは買い物に飛び出した。

店で「トイレが詰まったのを直すヤツありますか」と聞くと、年配の店員が「詰まるったって、具合にもよるよ。紙詰まり? 針金でゴシゴシやんなきゃ、ダメかもよ」

そんな絶望的なアドバイスは結構。わたしはトイレ用品売り場を探し回り、目当てのものを購入して事務所に帰還したのであった。

さっそくシュポポンを取り出してトイレに入ろうとすると、Tさんがさっと立ちふさがる。自分に任せろというのだ。それは絶対ダメ! わたしは取り乱しながら、親切なTさんからシュポポンを奪い取り、トイレに駆け込んだ。