2013/10/19

Tired of Waiting for You

難民認定申請は結果が出るまでにとても時間がかかる。平均2年ともいうが,実際にお目にかかるのはそれ以上かかるケースばかりだ。

というのも,その出た結果というものはたいてい悪い結果,つまり不認定で,その後再申請(あるいは裁判)を余儀なくされるわけで,申請中の決まりのつかない身の上は,2年以上,何年も何年も続くこととなる。

入管の方でも審査の迅速化を図っており,ずいぶん早く結果の出る人もいるが,それも認定数が少なければ,いくらスピードアップしても,あまり効果はない。つまり,結果を待ち焦がれる申請者数はなかなか減らないのだ。

どうして審査に時間がかかるのか,いや,それだけではなく,どうして申請者によってかかる時間がまちまちなのか,それは入管の難民審査の大いなる謎だ。ある申請者は一年のうちに結果が出たというのに,別の人は口頭審査に辿り着くまで何年も待たされる,という不合理はざらにある。

先日あるカレン人難民認定申請者と話をしたが,彼は2009年7月に入管収容所の中で申請を行い,一次審査の結果,2010年6月ごろ不認定となった。そこで,誰もがするように異議申立て(二次審査の申立て)を行ったのであるが,そのインタビューがようやく,ついに,いよいよ,今年の12月に行われるというのだ。

この3年以上の間に,入管が何をしていたのかは分からないし,その遅延は役所の仕組み上やむを得ないことなのかもしれないが,彼の貴重な命がそれだけ蕩尽されたということはいかにも悲しいことだ。

もっとも,人によっては,インタビューを待たされる理由が推測できるケースもある。これは直接聞いた話ではないが,あるビルマ人難民はもうかれこれ7年以上,入管のインタビューを待ち続けているのだそうだ。

その原因はといえば,彼が最初のインタビューの時,難民審査官の態度が悪かったのか,それとも何か別の理由からか知らないが,ひどく激昂して,机をひっくり返したことによるといわれている。

いかなる事情があろうと,暴力に訴えることは愚かなことであり,また入管がこの自制心のない申請者を警戒するのも理解できるが,もし入管がこの音信不通に懲罰的,あるいは見せしめ的な意味合いを含ませているとしたら,それはまったくのお門違いだ。もっとも,本当のところは皆目分からないのだが。

さて,この記事の表題となったのは,この地上で結成されたバンドのうちでもっとも素晴らしいと言われているThe Kinksの,それこそ無数にある名曲のひとつだということを注記しておこう。