2010/02/04

闇の組織、ODAの正体

日本に40前後存在すると見られる在日ビルマ難民の団体のすべてがデモや集会などの活動を公然と行っており、そのことについては入国管理局、公安当局を含む多くの日本人の知るところとなっている。

しかし、数年前からこれらの公的団体とはことなるある秘密組織がひそかに都内で活動を行っているという情報が飛び込んできた。

1月31日、駒込で行われたカレン革命記念日式典の後、わたしはある縁からこのなぞの組織の会合に参加することになった。いや、拉致されたといっていい。

地下の一室でテーブルに陣取った約10名のカレン人参加者たちは、自らをODA会員と名乗り、わたしの目の前に見慣れぬ食べ物の入った小さな皿を置いた。彼らのいうところを信じれば、これを食すことは会に入会するための絶対条件であるとのことだった。これがある種の通過儀礼であることは、彼らの言葉でこの食べ物が「お通し」と呼ばれることからもわかる。

覚悟を決め、わたしはその聖なる食べ物を嚥下した。おそらくその食べ物に含まれる麻薬物質によるものであろう、たちまちわたしはあたかも自分が大根と人参の煮物を食べているかのような強力な幻覚に襲われたのだった。

すると、事務局長を名乗る女性が不敵な大声で語り出した。それは次のような「血の掟」であり、これを遵守せぬ者は、恐ろしい報復が待っているのだという。

1 政治団体間のややこしい問題は持ち込まない。
2 楽しい話しかしない。
3 お勘定は割り勘で。

もしかしたら、わたしはこれらの掟を聞き間違えたかもしれない。わたしの精神状態はすでに普通のものではなかったから。わたしはそのとき、自分が大塚の居酒屋にいて、ビールを飲んだり、ピリ辛手羽先唐揚げや新鮮な寒ブリの刺身を食べているのではないかという奇妙な幻覚に苛まれていたのだった。

正常な意識に戻って今案ずるに、この3つの文からなる「血の掟」は「人間の運命」について語っているにちがいない。われわれ人間は自分の前世のややこしい出来事は出生後には持ち込まず、在世中は楽しく生きることを心がけ、それぞれの生の分け前によって後世の身の振り方を定めるものだからである。

いずれにせよ、これらの秘儀を通じてこのODAへの入会を認められたわたしを含む会員たちは、会合の終了後、「掟」の定めるところの2千円をそれぞれ支払って、夜の東京へと散らばっていったのであった。

なお、ODAとは、在日カレン民族同盟、在日カレン民族連盟、海外カレン機構(日本)の3組織とこれらに属さないカレン人難民の有志によって設立された団体で、Overseas Drinking Associationの略であるという。Drinkingとはディオニュソスとの関連で解釈されるべき語である。