2009/12/24

急襲とベッド

2005年頃の話。

高田馬場のあるマンションに住む「不法滞在」外国人が一斉に逮捕された。入管職員が朝早く急襲したのだ。

逮捕されたのはほとんどがビルマの人々。何人だったか正確には忘れてしまったが、少なくとも5人はいたのではないか。それはともかく、この奇襲をうまく逃れたカレン人がいた。

彼は周囲が騒がしくなったのを知るやいなや、これは入管に違いないと考え、すぐさま部屋を出て、別の階にある知人女性の部屋に逃げ込んだのである。

その女性は、学生でちゃんとしたビザのある人だ。だから、入管が来ても怖れることはない。ドア口に立つ入管職員に彼女が身分証を提示している間、そのカレン人は彼女のベッドの下に隠れてじっとしていたのだという。

見事な判断力というべきだが、その彼も翌年には職場で逮捕され、約1年間の収容生活を送ることになるのである。