入管や区役所の手続きのために、ビルマの国民登録証を翻訳することがある。これはピンクの厚紙のカードで、大きさは定期より少し大きいぐらい、そしてラミネートしてある。その裏表に情報が記されている。
国民登録証にはこれより古い型があって、それは新しいものより少し大きく、二つ折りになっている。ぼくはこれは一度しか見たことがない。
聞いたところによると1990年の総選挙の前までは折りたたみ式の国民登録証が使われていたが、選挙の有権者登録に合わせて新しいものに切り替わったのだという。つまり、総選挙以前に国外に逃げた人々は新しい登録証をもっていないということになる。
それはともかく現行の国民登録証の記載事項は次のようなものだ。
表面
[国民登録番号]
[日付]
[顔写真]
[身長] (フィートで)
[血液型]
[身体的特徴] (例えば「左アゴにほくろ」)
[名前]
[父の名前]
[生年月日]
[民族]
[宗教]
[発行者の署名](発行者である入国管理及び国民登録局の職員の署名)
(裏面)
[左親指の指紋]
[国民登録番号]
[職業]
[住所]
[署名]
(裏面下部に以下の注意書き)
注意
(1) 旅行中において携帯すべきこと。
(2) 紛失もしくは破損の場合は、所管の国民警察もしくは郡の入国管理及び国民登録局に届け出ること。
これらの記載事項のうち、非ビルマ民族政治活動家たちが問題視しているのは、登録証に民族と宗教を記さなければならない点である。