2008/06/07

品川入管にて

6月6日、あるビルマ人が入管に出頭することになり、同行した。入管の3階で書類を手渡した彼は、ほどなくして7階に連れて行かれた。

ぼくたちは3階で待ち続けていた。ずっと上の階にいる彼はいま自分の難民申請の判定結果を入管職員から聞かされているはずだった。結果次第によっては、彼はそのまま収容される可能性があった。

彼の保証人であるビルマ人もやってきていて、待っている間に少し話をした。

「昨日、彼と一緒だったんだけど、ひとりでぼーっとして、何にもしゃべらない。かわいそうに」

「前に収容されていたことはあるんですか」

彼はうなずき、イギリスやアメリカの例を出して日本の入管政策を批判した。

いつどのように収容が決まるのか、その収容期間はどれくらいになるのか、どのような基準で難民の認定・不認定が決まるのか、どうして保証金の額が時期によって違うのか・・・これら数多くの謎から判断する限り、入管はまったく気まぐれで働いているとしか思えない、というのが彼の見解であった。

「入管のポスターにありますよね、『ルールを守って国際化』って。そう言う入管自体にはルールがないのですよ」と彼は笑った。

3階で待ち始めてから一時間以上過ぎた頃、この保証人の携帯電話が鳴った。彼はビルマ語で話し、電話を切ると、ぼくたちに告げた。

「彼から。今日はここに泊まる、だって」