2010/03/24

チン民族の公正なる特産品(おわり)

有り余るもののうちから、何かを与えても、それはありがたみもないしたいした効力も発揮しない。しかし、「なにもない」といわれるチン州から、チンの人々が必死になって育て上げてきた「公正」という理念が、いまやビルマ連邦を作り替えようとしている。よろしくチン州の特産物に指定すべきであろう。

さて、最後になったが、2009年のチン民族記念日に、CNC-Japanより田辺寿夫さんといっしょにいただいた「第1回チンランドとチン民族の友賞」についても触れておきたい。「チン民族はカレンやカチンなどの他の民族に比べて国際的にも知られておらず、友人が少ないのでこういう賞をつくった」とは、タンさんのやや切実な話。ぼくもまた、タンさんとの出会いをきっかけに、多くのかけがえのないチンの友人を作ることができた。本来ならばこれらの友人たちにぼくのほうから何かの賞を送るべきであるが、そんな得体の知れないものをもらっても迷惑だろうから、この場を借りてただ「ありがとう」というにとどめる。(おしまい)