2009/11/13

森を見て木を見ない話(4)

4.水掛け祭

さて、ここで話を戻すと、このKNF-Japanの親切な申し出のおかげで、OKA-Japanは最初のお披露目のチャンスをつかむことができたのである。

2006年の水掛け祭は4月6日で、場所は例年通り、王子の飛鳥山公園。浮かれたビルマ人と花見客でごった返す中、われわれは生春巻きと軟骨からあげを売った。どのメンバーの顔も生き生きとし、喜びにあふれていた。新しい組織の最初の活動というものはなんとも楽しいものだ。もっとも、この楽しみを維持するのは並大抵のことではないことを後になって知るのだが。

それはともかく、水掛け祭の出店は大成功だった。われわれは日本語で書かれたOKA-Japanの紹介文を配り、新しいグループができたことを大いに宣伝した。さらに、1日の純利益である6万円という金額もなかなかのものだった。カレン人の多く暮らすタイ・ビルマ国境地帯でそれがどれだけの価値を持つか知らない者はいなかった。その国境地帯では、カレンの村人たちがビルマ軍に攻撃され、避難民、孤児となってジャングルの中を逃げ惑っていた。こうしたカレン人避難民を支援すること、われわれはこれをひとつの目的として、OKA-Japanを設立したのだ。

水掛け祭での活動によって、ビルマ人社会で存在を認められるという目標は最低限達成できた。次は、これを日本人に対して行わねばならなかった。日本で暮らす以上、難民問題、ビルマ問題に関わる日本人の協力は欠かせないからである。そして、まさにそれにうってつけの機会が6月に予定されていた。