2011/07/06

人身売買

先日触れた「世界のダメ国家ランキング」ではアメリカは158位だが、この国は同時に世界随一の「ダメだし国家」で、毎年、人権に関わるさまざまな報告を発表して、世界中の国々にダメ出ししている。

6月27日にアメリカ国務省が発表した2011年人身売買報告(TIP)では、各国政府の人身売買根絶への取り組みを第1段階、第2段階、第2段階(要警戒)、第3段階の4段階に格付けしている。

この報告でいう「人身売買」には強制労働、性産業での人身売買、負債労働、児童労働、子ども兵士などが含まれ、この言葉からイメージされるような「国境を越えた人間の売買」だけを指すわけではない。人間の奴隷化とでもいったほうがよりわかりやすいだろう。

さて、日本は、悪名高い「外国人研修・実習制度」と性産業における人身売買への政府の対応が不十分だとして、第2段階。

この手の報告ではいつも優等生のビルマは第3段階だ。強制労働、子ども兵士、児童労働、女性と子どもの人身売買などさまざまな問題が挙げられているが、強制労働と子ども兵士補充に関しては、ビルマ政府はこれに対処する側というよりも、積極的に推進している派なので、処置なしだ。

そして、このようなビルマ国内の危うい人権状況が経済的要因と相俟って、ビルマ国民を国外に流出させる要因となっており、それがさらに人身売買を引き起こしている、と報告書は指摘している。