在日ビルマ難民の社会を激震させずにはおかない「ある衝撃の事実」が存在し、他言無用と釘を刺しながらそれを教えてくれるビルマ人があった。しかし、その真偽のほどについてはぼく自身何とも判定することはできなかった。
1週間経ち、その「衝撃の事実」についてぼくがとうに忘れた頃になって、その人から電話がかかってきた。
「すいません。絶対、他の人には言わないでくださいってもう一度言いたくって。ビルマに残してきた家族と親類がどんな目にあうか不安で、不安で・・・・・・」
どんな気持ちでこの人は一週間を過ごしてきたことだろうか・・・・・・かえって滑稽なほどだ。
だが、ビルマの人々は本当に軍事政権が恐ろしいのだ。些細な例であるが、ビルマを覆う恐怖を理解する一例にはなるかと思う。