2013/08/15

大号令

カレン殉難者の日式典の会場は,ビルマ関係ではおなじみの南大塚地域文化創造館の会議室だが,式典のビデオ・プログラムのために上映する映像を準備していたら,管理者の方から音がうるさいので下げてほしいと注意された。

音楽を流す部屋ではないので,ということなので,音楽は小さめにして,インタビューの部分はわりと大きめに流していたら,それも大きすぎるという。そこで,OKO-Japan事務局長のダニエルさんが,会議室の外に出て音の大きさを確認し,これくらいなら大丈夫というギリギリの音量で設定をした。

さて,式典が始まった。式典は,カレン人殉難者への敬礼からはじまる。その号令をかけるのはカレン民族同盟(KNU)日本代表のモウニーさんだ。迷彩服みたいなのを着て張り切っている。

彼が号令をかけるのは毎年のことだから誰もが知っている。そこで,あるカレン人がモウニーさんに言った。「この会場は大きい音はダメみたいだから,号令のときは声を小さめにしてね」

すると彼は答えた。

「殉難者の日の号令は,口からでなく魂から出るものだから無理だよ」