2013/04/23

休憩時間

あるビルマ難民が入管に収容されていて、仮放免のための身元保証を頼まれた。

断る理由はないので引き受けたが、いろいろ立て込んでいて、申請書類に取りかかるのに何週間もかかってしまった。

わたしが書類を出すのが遅れるだけ、その人の収容期間は長引くのである。

彼はどのような気持ちで待っているのだろうか。自分も被収容者の苦しみに加担しているのでは? 一日一日先延ばしにしているうちに、わたしもまた苦しくなってきた。

そのうち、この難民の親族から電話がかかって来た。催促だ。わたしは急いで書類を揃え申請書を書き終えた。やりだせばあっちゅうまだ。

わたしはその日のうちに申請書類をその親族に手渡した。この人が、今収容されている人のもとへと持って行ってくれるのである。

「遅れてしまってすいません」

「いやいや、忙しいならしょうがないですよ」

「でも、きっと今か今かと待っているでしょう」

「ああ大丈夫! 本人はゆっくり休んでますよ! 20年間というもの働きづめだったんだもの!」

なら急ぐんじゃあなかった。