2011/05/21

爆発事件

ネピドー近郊で18日起きた爆発事件についてビルマ政府はKNU(カレン民族同盟)の犯行と主張している。

もちろん、軍事政権がそういっているだけで、必ずしもこれを鵜呑みにする必要はない。

以前、同じような爆弾事件があり、やはり軍事政権はKNUを非難していた。その直後、わたしはタイでKNUの幹部と会って話したが、そのようなことはしないと、否定していた。

わたしも現在のKNUの内情とその考え方から判断するかぎり、このような爆弾事件に係っている可能性は低いのではないかと考えている。

では、そこで誰がそんなことをするのか、という問題になるのだが、軍事政権の非道さを知る人は、軍事政権の自作自演を挙げる。また、軍事政権内の内部抗争と見る人もいる。真相はわからないのだが、ひとつだけ確かなことがある。

このようなテロ事件が起き、その度にKNUの犯行だと政府が発表することで、KNUとは何の関係もない普通のカレン人たちがますますほかのビルマ人たちの憎悪といじめにさらされるようになるということだ。

ビルマ人が心の底に持つカレン人への怖れと憎しみに政府がいわばお墨付きを与えるのだ。

もっともこの点に関しては我が国の立派な政治家たちも同じようなことを行っている。

おかげで、われわれは朝鮮人とパチンコ屋と国歌で勃たない教師を叩くと心の底からスッキリする珍妙な体質になってしまったのである。