2011/05/17

ぱすぽ☆

震災以後、難民認定申請を止めて帰国するビルマの人がいる。

そうした人は二つの手続きを行わなくてはならない。一つは入管に行って、難民認定申請を放棄することであり、もうひとつはビルマ大使館に行ってパスポートを発行してもらうことである。

この間、帰国するというビルマの人に、発行したてのパスポートを見せてもらった。

20ページほどの、鶯色の紙をとじ合わせた簡易ななものだ。

もっとも、パスポートというのは正確ではない。正式には身分証明書で、「パスポートの代わりに使用できる」と記されている。また、すでに発行したパスポートが有効期限切れなので、その代用である、ともある。8ページ目には次のような英文がハンコで押されている。

Good for return to the Union of Myanmar only. This Certificate of Identity must be surrendered to the Immigration Authorities on the bearer's return to the Union of Myanmar.

つまり、このパスポートは帰国のためだけのもの、そして、帰国したら空港で取り上げられる、ということだ。

聞いた話では、このパスポートを取得するのにビルマ大使館に9万円払わなくてはならないのだそうだ。わたしにパスポートを見せてくれた人は、10万円払ったといっていた。

いついかなるときでも足元を見るのを忘れるな、というのがこの政府のモットーなのだ。