2011/05/03

難民キャンプ閉鎖(1)


ビルマでの新政府の発足を受けて、タイ政府が難民キャンプの閉鎖を検討しはじめたというニュースが先日流れた。「難民キャンプ閉鎖」 タイの送還方針、波紋

これを聞いていろいろ懸念する人がいるが、これはまず不可能だと思う。

9箇所の難民キャンプに暮らす15万人もの人々をいったいどうやって帰すのか?

もちろん、難民キャンプはたいていビルマ国境の目と鼻の先にあるにしても、これだけの人々を意に反してそのわずかな距離を動かすことは容易ではない。ビルマ側で大規模な野外フェスでもあれば、例えジャングルの中でもほっといたって何万人もの人々が歩いて行くだろうが、そんな呑気なお国柄ではない。

タイ軍がムリヤリ大量に送還すればいい? やめといたがいい、そんなこと。ますます厄介疑いなし。難民たちが大人しくされるがままになることなどありえない。必死の抵抗だ。みんなビルマでなぶり殺しにされるよりましだと思っているからね。死者が出ずにはいない。そうなりゃもちろんタイの国際的な評価だって下がる。

では、少しずつ送還したらどうか。これもまず不可能。一人でも送還したら最後、すべての難民たちはキャンプの外へと逃げ出すだろう。もちろん、タイには検問があちこちにあるので捕まえることは不可能ではないが、それでも15万人をすべて捕まえて送還する手間は膨大だ。