2010/04/09

送金偽装詐欺事件(終)

5)軍事政権に生きる人々ならではの理由
被害者たちからだまし取られたお金はすべてビルマに送金され、加害者の関係者が握っているのだという。

被害者たちが事件を表沙汰にすることで恐れているのは、日本の警察が動き出したことにより、ビルマの政府も動きだし、そのお金が結局すべて軍事政権の手に渡ってしまう、という可能性である。

何年も働いてきたお金が憎むべき敵に渡ってしまう悔しさは何にも代え難い、ということである。

また、刑事事件となって加害者女性が日本で有罪となったら、ビルマに強制退去させられる可能性が高いという。それこそ、この加害者の思う壷だ。なにしろ送還されたビルマでは優雅な生活が待ち受けているのだから。

そんなわけでこの女性は「警察に訴えるなら訴えてみろ、刑務所も強制退去も怖くない!」と開き直っているのだとか。

もっともぼくはそんなに上手くいくとは思ってはいない。ビルマには彼女よりもっと悪い人がひしめいているのだから。

いずれにせよ、ビルマ軍事政権では悪い人ほど栄えるということがこの事件からもよくわかるのである。