2009/01/09

おむつのサイズ

子育てというものは大変なものだが、難民申請中の家族の場合、国民健康保険に加入できない分さらに大変だ。ちょっとした風邪で病院に連れて行くだけで、全額負担で1万円近くを支払わなくてはならない。

そのため、市販の薬を使ったりして、できるだけ切り詰めることとなる。

あるカチン人の母親が、息子を一ヶ月健診に連れて行ったところ、医師に「この赤ちゃん、大きく育っているのは結構ですが、おむつのサイズが合っていませんよ」と指摘されて少々気まずい思いをした。

つまり、MサイズのおむつよりSサイズのおむつの方が枚数が多く入っているので、このお母さん、がんばって使っていたのだ。

いや、むしろ、赤ちゃんの方が小さめのおむつでがんばっていた、というべきか。

2009/01/08

捕まらぬよう

背広を着る。

信号を無視して横断しない。

雨のときはちゃんと傘をさす。

自転車には乗らない。

どこに行くにもタクシーを使う。

目立つようなことはせず、できるだけひっそりと、できるだけサラリーマンに見えるよう。

オーバーステイ中のあるビルマ人男性が語る、捕まらぬための心得。

しかし、そう言う張本人、先日ついに難民認定申請を行った。

2009/01/07

ロンジーの中

4・5年ほど前のこと、日本で難民認定申請をし、反政府活動をするビルマ人やカレン人を評して、あるカレン人が次のように言った。

「あの人たちはロンジー(男性用腰巻き)に隠れて、拳を振り上げているようなものだ」

つまり、ビルマ国外の守られた場所から民主化を叫んでも屁の突っ張りにもならない、と嘲笑したわけだ。

ところで、その言った張本人、先日ついに難民認定申請を行った。

2009/01/05

MAE LA CAMP by Google Earth

4万人近くもの難民がひしめき合うタイ最大の難民キャンプ、メラ・キャンプの全容をGoogle Earthでかなり明瞭に見ることができる。位置情報は以下の通り。

緯度 17° 7'17.51"N
経度 98°23'18.46"E

2009/01/04

NLDダイアリー

NLD解放区日本支部のメンバーのフラティントゥンさんから、NLD特製の2009年版スケジュール帳をいただく。

ビルマの団体はよく自分たちの団体のカレンダーを作成し、年頭に配布したりするけど、スケジュール帳というのははじめてだ。2〜3年前から始めたとのこと。1500円で会員に販売したそうだ。

スケジュール帳としてもちょっと変わっていて、ビルマの記念日だけでなく、スーチーさんの誕生日(下の写真)、NLD日本支部の結成記念日などがマークされている。月ごとのカレンダーの後には、見開き10日ごとのスケジュール・メモとなっている。どうして1週間ごとではないのかはわからない。


スーチーさんらNLD指導者の写真はもちろんのこと、日本支部の幹部の集合写真が掲載されているページもある。

紙質はそれほど良くはないから、印刷した場所はタイあたりかもしれない。

4月の部分(下の写真)を見ていて休日が続くのでうれしくなったが、よく考えてみればこれは、水掛け祭り、つまりビルマの休日だった。ぬか喜び。

2009/01/02

ビルマの恐怖

在日ビルマ難民の社会を激震させずにはおかない「ある衝撃の事実」が存在し、他言無用と釘を刺しながらそれを教えてくれるビルマ人があった。しかし、その真偽のほどについてはぼく自身何とも判定することはできなかった。

1週間経ち、その「衝撃の事実」についてぼくがとうに忘れた頃になって、その人から電話がかかってきた。

「すいません。絶対、他の人には言わないでくださいってもう一度言いたくって。ビルマに残してきた家族と親類がどんな目にあうか不安で、不安で・・・・・・」

どんな気持ちでこの人は一週間を過ごしてきたことだろうか・・・・・・かえって滑稽なほどだ。

だが、ビルマの人々は本当に軍事政権が恐ろしいのだ。些細な例であるが、ビルマを覆う恐怖を理解する一例にはなるかと思う。

2009/01/01

民族大量虐殺

ほとんどのカレン人の母語はカレン語(のうちのどれか)であるから、生育環境によっては、ビルマ語がそれほど得意でないものもいる。

いや、ビルマ語が話されている環境で育ったとしても、ビルマ民族に対する嫌悪感・恐怖感から、ビルマ語の習得に熱心でない人もいる。

その背景にはビルマ人によるカレン人への迫害がある。その熾烈さ、残虐さはもはや民族絶滅作戦といっても良い程度にも達している。

あるカレン人が日本で難民認定申請を行い、ビルマ語で申請書を提出した。

もちろんのこと、彼は自分が難民となった背景として、「ビルマ軍事政権がカレン人を大量虐殺している」ことに触れずにはいなかった。だが、ビルマ語があまり上手ではない彼は「大量虐殺」をビルマ語でなんというか知らなかったのだ。

彼がどれくらい頭を悩ませたかは知らない。ともあれ「ルータップエー」、結局彼はそう申請書に書いた。文字通り訳せば「人・殺し・祭」と。