2010/07/09

帰っちゃダメ

あるビルマ難民が数年の不法滞在の後に1999年にビルマに帰国した。

彼は政治活動ゆえに逃げてきた難民だが、そろそろほとぼりも冷めた頃だろうと考えたのだった。ところが、ビルマに帰ると相変わらず危険で、ついに一度逮捕されてしまった。そんなわけで釈放後、再びビルマを出て、日本に逃げてきた。

日本について驚いたのは、入国管理局の対応の厳しさ。1999年に彼が十条にあった入管に行った時とはまったく対応が違ったのだ。

出頭申告にやってきた彼に対して、当時の職員はこんなふうにいったのだという。

「どうして帰るの? 仕事の問題? 彼女の問題?」

「故郷の父が病気なのです」

「お父さんが病気! じゃあ、しょうがないねえ。でも、今すぐ帰ることはないんじゃない。1ヶ月ぐらいよ〜く考えてから、本当に帰りたければ、帰りなさい!」