2014/12/23

太陽と月

マナウ柱の中央に立つ二本の柱、ドゥンラーとドゥンイーは男生と女性を表すだけでなく、太陽と月を表してもいる。

それは柱の形にも表現されていて、ドゥンラーの先端は太陽のように丸く、ドゥンイーは三日月のように先端が丸く欠けている。

このことを説明してくれたのは、バンマイサマキのマナウ祭りのために中国からやって来たカチン人の一人で、彼はインターネットを通じて「景頗大地」(Kachin Land)というカチン民族に関する情報を発信している。

ドゥンイーは月に結びつけられているが、わたしが2012年4月の東京でのマナウの時に、ビルマのマナウ・リーダーから聞いた話では、女性の柱、ドゥンイーの天辺には太陽を模した飾りを付けるとのことだ。「東京でのマナウでは、わたしたちはこの飾りも指示しておいたのですが、付けられていませんでした。本当は必要なのです」

この飾りはバンマイサマキのマナウ柱には見当たらないが、櫓に立てられた竿の先につけられた太陽と月と星の飾りがそれに相当するといえなくもない。

あるいは、太陽というのはカチンでは女性に対する褒め言葉だそうだから、ドゥンイーを月とし、ドゥンラーを太陽とする解釈はマナウの地域差のひとつかもしれない。

この「景頗大地」にはロゴマークがあり、彼はそれが貼られたシャツを着ていたのだが、それは通常のカチン民族の印と少々異なっていた。交差した片方の剣の先が凹んでいるのではなく突き出ているのである。彼が言うには、ドゥンラーとドゥンイーとのように男女のペアにした、という。

だから、もしかしたら、太陽と月の対比と解釈する傾向は中国のカチンでより強いのかもしれないが、これはもっと調べてみないと分からない。

「景頗大地」のロゴ