2014/12/02

カレン魂

チェンマイ行きが決まると、他の旅程も決まった。初めにチェンマイに行って、それからメーソットだ。今のところ12月8〜10日で、当初の予定より短いがこれはしょうがない。

チケットを取ると、カレンの友人たちに何か持っていってほしいものはないかと尋ねた。教会と孤児院に寄付金を持っていってくれ、という人たちがいたので、それを預かる。カレン民族同盟日本支部(KNU-Japan)の代表のモウニーさんが、KNUの世話になった人に持っていってほしいものがあるので、いつ渡せるか、というので、11月30日の昼過ぎに家を出るからそれまでなら、と答えた。

さて出発当日、モウニーさんからは連絡はない。予定通り家を出て、成田空港まであと30分ばかりというところで、電話がかかってきた。

「仕事で疲れて寝てしまいました。大丈夫ですか」

大丈夫じゃない。

飛行機の出る時間が17:45だから、搭乗時間は17:15。入国審査の時間を考えるとだいたい17:00がリミットだと答える。今はもう15:00、東京からだとギリギリだ。彼は「そうですか」と言って電話を切った。

さて空港でチェックインを済ませた頃に再び彼から電話がかかってきた。

「今日暮里! スカイライナーに乗ります」

来る。今は16:00前だから、本当にギリギリだ。

特に免税店で買い物もないので、北ウィング4階出発ロビーのセキュリティチェックの入り口辺りで待っていると、16:50に電話がかかってきた。着いたという。北ウィングにいることを告げると、しばらくして「どこですか?」 そこ南ウィング。

なんとか会えたのは16:55。わたしは手紙とカメラと時計をかっさらってセキュリティチェックに向かおうとする。するとモウニーさん。

「出発前にちょっと一杯飲みませんか?」

何を言い出す。

「もう時間ないです」と断ると、彼はニヤッと笑ってリュックからウィスキーの小瓶を取り出した。

いつでも人を喜ばせるのを忘れない、これぞカレン魂。だが、これに夢中になってついつい時間に遅れるのもカレン人。まったくもう。