2013/12/13

ネーミョージン(Nay Myo Zin)の逮捕

ネーミョージン(Nay Myo Zin)さんというのは,ビルマの社会活動家で,いまもっとも注目されているビルマ人の1人でもある。

12月12日,パンタノウ裁判所で警察官に連行されるネーミョージンさん。
(支援者が撮影)

彼は元軍人だが,軍事政権の腐敗を憎んで軍を辞め,政治活動に身を投じた。2011年に彼は政治的な理由から投獄されるが,2012年にほかの政治囚とともに釈放された。

彼は直ちに社会的活動を開始し,政治的な活動と,主にエーヤワディ管区の貧しい農村へ支援活動を積極的に行っている。これらの農村は,飲み水,電力,教育の点でさまざまな問題を抱えている。

在日ビルマ難民たすけあいの会(BRSA)は,以前から彼の活動を支援していて,わたしは今年の2月,11月にビルマを訪問した際,彼と彼の支援者(ミャンマー社会発展ネットワークMSDNなど)とかなりの時間行動をともにした。

彼は警察を批判したことにより警察に訴えられており,今年の6月に1度逮捕されて,2週間ほど投獄されている。その問題は今も続き,現在は政府の批判を禁止する別の法律により裁判所への出頭命令が出されている。

この出頭命令を彼は無視していたのだが,そのためとうとう11月13日,エーヤワディ管区で彼は現地の警察に拘束された。そして,裁判所に送られ,出頭命令に応じるという署名をした後,釈放された。わたしはそのとき彼と一緒にいて,その一部始終をビデオに収めた。

11月13日に警察に拘束された時のネーミョージンさん。

パンタノウ裁判所(11月13日)。右がネーミョージンさん。
左はやはり同じ罪で起訴されている農民指導者のウ・テインウィンさん。

その後,彼は再び,裁判所に呼び出された。この12月12日である。今回は彼は出頭命令に応じると言う誓約書に署名を拒んだ。そのため,現在,エーヤワディ管区パンタノウ郡の留置所で拘束されているという。

なぜ彼が署名を拒んだかというと,2つの理由がある。ひとつは,彼は自分は警察が賄賂を取ることを批判したのであり,処罰に価するような間違ったことを言ってはいない,という信念によるものだ。

もうひとつは,ビルマ国内で注目されている自分が拘束されることにより,ビルマの言論の自由を禁ずる法律の問題により多くの関心を集め,法改正へと事態を動かそうという戦略的な意図からだ。

彼は月曜日に再び法廷に立たされるという。そこでこれからどうなるか,そのまま釈放されるのか,さらに拘束が続き,政治犯として投獄されるのか,ある程度分かるに違いない。