2012/12/04

アンセイフ・ドリーム

『アンセイフ・ステイト』は最初は今年の夏に出す予定だったが、9月にずれ、10月にずれ、とうとう11月になってしまった。

出版記念集会をする関係で場所を押さえなくてはならない。わたしはCWO-Japanの会長のドウ・ニンザルンさんに11月11日には絶対に間に合うと請け合い、彼女はわたしの言葉を信じて、その日に下神明の品川区中小企業センターの会議室を予約した。

この本は2007年の出版で、それからビルマの情勢もいろいろ変わった。それで、わたしは2007年当時と現在のチン州の状況を橋渡しするような解説が不可欠であろうと考えた。

オリジナルを出版したのはチンランド女性連盟(WLC)で、わたしはこの本の刊行を主導したチェリー・ザハウさんにインタビューするのが一番よいと考えたが、いろいろな事情でこれは実現しなかった。

それでどうしよう、と考えていたところ、折よくチン民族戦線(CNF)の外務局のサライ・トゥラヘイさんが日本財団の招きで他の非ビルマ民族政治家とともに来日した。わたしは短い時間ではあるが彼から話を聞くことができ、なんとか最新の状況を解説に含めることができた。

こうした経緯もあり、印刷に出すのは本当にもうギリギリで、印刷屋とのやり取りを経て、完成品が手元に届いたのが、11月9日のことだった。

現物を見るまでわたしはもう気が気でなかった。11日に間に合わなかったら、とんでもない恥さらしだ。わたし1人なら大して気にもしないが、CWO-Japanのみんなに迷惑をかけるわけにはいかない。

そんなこんなで、11月9日の未明、わたしは本来は左綴じであるべきこの小冊子が、おのれの発注ミスで右綴じで届けられるという悪夢を見たのであった。