2012/05/20

ビルマのカレン民族とカレン民族同盟(終わり)

(カレン民族同盟(KNU)副議長のデヴィッド・ターカーボウ氏とローランド・ワトソン氏共著のTHE KAREN PEOPLE OF BURMA  AND THE KAREN NATIONAL UNIONの全訳の最終回。)

(3.カレン民族の政治組織の続き)
他のカレン人組織

多くのカレン人組織が活動している。あるものはカレン人を支援するKNUと直につながっている。ビルマ国内とタイには次のようなものがある。

*カレン人大量虐殺反対委員会
*カレン人国内避難民委員会(CIDKP)
*カレン難民委員会(KRC)
*カレン女性機構(KWO)
*カレン青年機構(KYO)
*コトゥーレイ労働組合連盟(FTUK)
*救援と発展のためのカレン事務局(KORD)
*カレン人権グループ(KHRG)
*カレン学生ネットワーク・グループ(KSNG)

KHRGにはウェブサイトとニュースレターがある。他の刊行物には、カレン情報センターの月刊ニュースレター、クウェカル(メルギ・タヴォイ地区の月刊ニュースレター)、タヌトゥー(KNUの季刊誌)があり、また他の委員会やグループにも定期刊行物がある。

海外のカレン・グループ

*カレン民族連盟
*カレン連帯機構
*カレン・アクション・グループ
*オーストラリア・カレン機構
*アメリカン・カレン・エージェンシー
*海外カレン機構(OKO)

最後に述べるべきは、KNUが以下のような数々の多組織同盟に参加していることである。

* 国民民主戦線(NFD)ではKNU議長が議長を務めている。NFDは1976年に結成された非ビルマ諸民族組織の同盟である。そのメンバーは、はっきりした領土と武力を持った単独の民族組織からなる。その目標は、ビルマに民主主義連邦を創造すること、より一般的には社会進歩を達成することにある。公式にはこの組織は広範囲の軍事協力を行っている。しかし、現在は実質的に政治的活動に転じている。NDFは9つの組織からなり、カレン、チン、アラカン、モン、その他の小さい民族が含まれている。

*ビルマ民主同盟(DAB)では、KNU副議長が議長を務めている。DABは1988年にSPDCの前身であるSLORCによって行われたビルマの主要都市での虐殺に対応すべく設立された。NFDよりも大規模な同盟であり、少数民族組織だけでなく、ビルマ人組織や、学生グループをも含む。そのうちには、全ビルマ学生民主戦線(ABSDF)、全ビルマ学生組合連盟(ABFSU)、新しい社会のための民主党 (DPNS)がある。DABには15の加盟団体があり、NDFと同様の使命を持つ。

*ビルマ連邦国民評議会(NCUB)ではKNU副議長が議長を務める。NCUBは1992年に設立され、NDF、DAB、国民民主連盟(解放区)、議員同盟からの代表を含み、ビルマ民主化運動の最大の連合体である。KNU外務省長官もまた、NCUB実行委員会に加わっている。

*少数民族連帯協力委員会(ENSCC)はNDF、カレンニー民族進歩党、少数民族統一国民民主連盟などからなり、KNU議長が議長を務める。ENSCCは2002年に結成された。その目的は、SPDCと、NLD、少数民族グループとの3者対話の促進にある。

*5組織軍事同盟

(おしまい)