2012/09/06

牛久の日々(3)

待合室の鉄の扉を通されるとロッカーのある部屋がある。カメラや録音機器、携帯など面会に持ち込めないものはそこに置いておく仕組みだ。そして、もうひとつ扉を抜けると面会室が並んでおり、そのうちのどれかで待っているように指示される。

面会室は3畳ほどの大きさで真ん中にカウンターとアクリル(多分)のしきりがある。そしてその向こうの扉から被収容者が現れる。

わたしは午前中にどうしても2回面会をしたかったので、用事を済ませたらささっと面会を打ち切ろうと思っていた。

用事というのは、あらかじめ渡してある仮放免申請書にサインをもらうことだ。そうしないとその日のうちに申請書を提出できない。

で、収容された人がやってくる。ああだが、来ちまったらダメだ。歓迎! ありがとう! よく来てくれた! なかなか来れなくってゴメン(てへぺろ)! そう簡単に面会なんて打ち切れるもんじゃない。結局30分たっぷり話した。

で、面会室を飛び出て、整理券を取ってもう一度受付に。なんと受け付けてくれる。ひょっとしたら、もう一回できるかも! と、受付の職員が言った。

「今からだと、面会できるのは午後の2時になります」

 なにぃぃぃぃこれから2時間以上待てだと! 無言で運命を受け入れた。