2012/09/06

カレン民族殉難者の日の声明

第62回カレン民族殉難者の日にあたり、カレン民族同盟(KNU)の議長のソウ・タムラボウが声明を発表している。

これは日本の式典でもビルマ語、スゴーカレン語、ポーカレン語で朗読されたが、英語版もある(KNUのサイトで見ることができる)。

A42ページにわたるもので、カレンの殉難者を悼み、カレンの民族革命の更なる前進を呼びかけるものだが、 なかでも2つのパラグラフがカレン民族の現状をよく表している重要なものだ。ここで簡単に訳して紹介しようと思う。

「カレン民族の革命的抵抗は63年の長きにおよぶが、われわれはいまだ自分たちの望むゴールに達するをえず、いまなお民族解放運動のただ中にある。 われわれはこの解放運動を通じて、さまざまな手段による分裂と不和による数々の苦い教訓を学んできた。われわれの民族解放運動の歴史においては、カレン民族が誇るに足る数々の殉難者が現れる一方、見下げ果てた卑しむべき日和見主義者もまた幾人も現れている。日和見主義と取り繕い主義(tokenism)はわれわれの民族の利益や各人の質と進歩を促進するどころか、ただ後退のみを生み出す。それゆえ、すべてのカレン民族は、自らのうちにある日和見主義と取り繕い主義を滅却し、殉難者たちの精神、革命に関する細心の注意、政治的な警戒心を抱きながら勝利へと行進しなくてはならない。

現在の政治的状況に関していえば、2008年の憲法に従い、2010年の選挙によって権力を得た現行の政府は改革を遂行していると、わたしは申し上げたい。この政府は非ビルマ民族の武装勢力と和平を作り出そうとしているといわれているが、わたしの分析によれば、この政府は、実際の行動を見てみると、政治的内実のある平和のための対話というよりもビジネス面を強調した対話を実施している。さらに、われわれがもうひとつ危惧するのは、ビルマ国軍(政府の武装組織)が政府の和平構築プロセスにあまり乗り気でないということに加えて、国軍の振る舞いが時として、和平構築プロセスそのものの妨害し危険にさらすものとなっていることである。われわれの見るところ、現在行われている内戦の終結のためには、国軍が正しい態度で参加することがきわめて重要である。したがって、わたしはテインセイン大統領政府に、もし非ビルマ民族との本当の和平を確立することを望み、近代的で発展した民主的な新国家へと向かおうとしているのならば、透明で政治的に意味ある交渉を行うように求めたい。さもなければ、内戦は続くだろう。」