2012/09/03

身元保証人の偉大なる憤怒の書

わたしは現在、何人もの難民認定申請者の身元保証人をしているが、その中にはさまざまな理由で生活上の困難に直面している人もいる。

そうした人はしばしば公益財団法人アジア福祉教育財団の難民事業本部(RHQ)に助けを求める。難民認定申請者のための保護費支給があるからだ。もっともこれは額が限られているので、審査を通るのは難しい。

それはともかく、わたしが身元保証人をしている人が申請すると、やがてわたしのところにRHQから電話がかかって来る。身元保証人が生活費を支援できる余裕があるかどうか確認するためだ。

この前もそんな電話がかかってきた。

「公益財団法人アジア福祉教育財団の〇〇です」

女性の声だ。

「XXさんの件でお電話を差し上げたのですが、身元保証人のタク・クマキリさんでしょうか」

「はい」

「XXさんが保護費の申請をしていまして、タク・クマキリさんはそのことをご存知でしょうか」

「はい」

「お尋ねしたいのはタク・クマキリさんにXXさんの生活費を支援することができるかどうかなんですが」

ぜっ・た・い・お・れ・の・こ・と・ば・か・に・し・て・る・だ・ろ

だが、恚(イカ)るまい。わたしは答える。

「できません」

「それはどうしてでしょうか」

「……お金がないからです」

い・わ・せ・ん・な・は・ず・か・し・い